緊急避妊ピルによる出血

緊急避妊ピルは、避妊に失敗したなどの理由で緊急の必要がある場合に、妊娠してしまうのを阻止するための錠剤です。
女性の妊娠までの過程をごく簡単に説明すると、生理周期ごとに卵巣から1個の卵子が排卵され、これが男性と出会って受精すると、卵管を通って子宮までたどりつき、受精卵のベッドともいえる厚い子宮内膜に着床して妊娠が成立します。
緊急避妊ピルには黄体ホルモンという女性ホルモンのはたらきをする成分が含まれているため、この成分によって、まずは排卵を防ぐという効果によって受精が成立しなくなり、その後の着床についても、子宮内膜が厚くなる前に剥がれ落ちてしまうために成立しなくなります。
そのため、緊急避妊ピルを服用すると、いずれ剥がれ落ちた子宮内膜が体外に排出されることになりますが、これを「消退出血」と呼んでいます。これは緊急避妊ピルを飲んでから数日か1週間程度の間に起きるもので、逆にいえば緊急避妊ピルが正しく避妊効果を発揮した証拠でもあるものです。
「出血」と聞くと不安になる女性もあることと思いますが、実は通常の生理(月経)も、必要がなくなった子宮内膜が自然に剥がれ落ちてあたかも出血のように見える現象であり、これと同じものが緊急避妊ピルによって早めに行われたと考えれば、何ら不安になる必要はないものです。緊急避妊ピルは副作用は少ないといわれるものの、下腹部痛、吐き気、頭痛、めまい、疲労などを感じたりする人もみられ、これも通常の生理と同じです。
なお、緊急避妊ピルといっても万能ではありませんので、もしいつまでも消退出血がみられないような場合については、念のため避妊に失敗して妊娠していないかどうかを産婦人科で確認してもらう必要があります。