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なかなか妊娠できずに悩んでいる女性に対しては、人工授精などのさまざまな方法による不妊治療が行われますが、そうした先進的な方法によらなくても、自然に妊娠が成立するのをサポートする方法として、タイミング法と呼ばれるものが知られています。
これは、毎日の基礎体温を計測して排卵の時期を正確に割り出すことによって、妊娠しやすい時期にあわせて夫婦生活をもつことによって、妊娠の確率を高めようとするものです。
この方法では、排卵日前から排卵日に至るまでの時期が妊娠可能とされていますが、実は排卵日の当日よりも、むしろ排卵日2日前や前日にかけてのほうが妊娠しやすいとされています。
タイミング法は正常な妊娠をするための方法ですが、逆に妊娠をしたくないと考えている女性が、何らかの事情で排卵日2日前のような妊娠しやすい日に、避妊をせずに行為に及んでしまった場合には、かなりの注意が必要となります。
このような場合、そのままでは本当に妊娠をしてしまう可能性がありますので、緊急避妊ピルの服用などをすみやかに行わなければなりません。
緊急避妊ピルは、黄体ホルモンという女性ホルモンが含まれているお薬で、避妊をせずに行為をした後、72時間以内のできるだけ早期に服用するように指導されています。
この錠剤を服用することによって、血液中の黄体ホルモン濃度が上がりますので、排卵して受精卵が着床するのが阻止され、きわめて高い確率で妊娠は成立しなくなります。
ただし、この緊急避妊ピルは市中の薬局やドラッグストアなどで気軽に買えるものではなく、産婦人科などの医師の処方が必要ですので、事前に必ず病院を受診することになります。
また、この緊急避妊ピルの効果は高いものの、完全ではありませんので、服用後いつまでも生理が来ないような異常がみられる場合には、速やかに産婦人科を受診してください。

一般的な避妊ピルは、自然な生理周期にもとづいて、生理が起きたはじめの日から毎日飲み続けることによって避妊の効果を発揮するものであり、副次的な効果として、生理不順や血型困難症の改善にも役立つものとなっています。
ところが、緊急避妊ピルの場合には、生理周期とは関係なく、妊娠が懸念されるような性行為をしてから72時間以内に飲むことが指定されており、一般的な避妊ピルとは大きく異なっています。
この緊急避妊ピルを飲むと、主要な成分である黄体ホルモンの作用によって、受精の前提となる排卵が遅れるほか、子宮内で受精卵のベッドにあたる子宮内膜が厚く生長する前に剥がれ落ちてしまい、結果として子宮内膜に受精卵が着床して妊娠することが阻止されます。
剥がれ落ちた子宮内膜の組織が血液として溶け出てきたものが、いわゆる生理(月経)にあたりますが、緊急避妊ピルを使った場合には、その生理が通常の周期よりも早く起きるということになります。
この生理のような出血は、服用してから数日程度のごく早い時期に起きることもありますし、また本来の生理周期に近い時期に起きることもありますが、いずれにしても緊急避妊ピルによって避妊が成功した場合、出血が起きることに違いはありません。
このようにホルモンバランスが一時的に崩れることによって、緊急避妊後の排卵は不安定になりますので、その後の生理周期も乱れがちになることが多いといえます。
場合によっては出血が1か月に2回も続いてしまうようなこともありますが、数か月もすれば体がもとのバランスを取り戻して通常どおりの生理の周期がはじまります。
ただし、緊急避妊ピルを飲んでから最初の出血が数週間も起きないようであれば、逆に避妊に失敗した場合も考えられますので、産婦人科医に相談することが必要です。